中性脂肪を正常値に減らす食事、食材、方法

中性脂肪とは

中性脂肪博士

私たちが年を重ねる中で健康について語る上で、よく「中性脂肪」という言葉を耳にするようになります。その中性脂肪を、コレステロールと同じようなものだと考えている人は随分多いようです。

 

そこで、中性脂肪とコレステロールが、どのような働きをするものなのか、また体にどのような影響を与えるのかを、お伝えいたします。また、中性脂肪とコレステロールの違いをはじめとした、中性脂肪を減らすための基礎的な知識、さらにその為の毎日考えるべき食事の内容などをお伝えいたします。

 

是非、大きな病気が発症する前に、確りと対処して健康な体を取り戻すために、血液サラサラを実現しましょう。

中性脂肪とコレステロールの働き

中性脂肪とコレステロールの違いは、どこにあるのでしょうか?
両方とも脂質であることは共通していますが、その働きが違います。

 

中性脂肪は、体の中に蓄えられたエネルギーで、体を動かすなどで燃焼されます。
一方、コレステロールは体内の細胞膜やホルモンをつくる際の材料となるもので、コレステロールは中性脂肪とは異なり、燃焼されるものではありません。

脂質は、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸、コレステロールの4種類ある

中性脂肪、リン脂質は、エネルギーの貯蓄に関係、リン脂質とコレステロールは体を構成する働きがあります。

中性脂肪の働き

私たちの体内にある脂肪の中には、中性脂肪の他にも「脂肪酸」というものがあります。

脂肪酸は、私たちが生きていく上でエネルギーとして一番使うものです。

脂肪酸: 脂肪酸には骨格となる炭素がすべて飽和結合で満たされた飽和脂肪酸と、一部に二重結合(不飽和結合)を持つ不飽和脂肪酸があります。

 

更に、不飽和脂肪酸の中でも二重結合を1個だけ持つものを一価不飽和脂肪酸、2個以上持つものを多価不飽和脂肪酸と呼んでいます。

 

脂肪酸のうちエネルギー源になるのは、第一に飽和脂肪酸、次に一価不飽和脂肪酸です。
飽和脂肪酸が貯蔵脂肪として使われる重要な意味は、化学的に安定した物質であるからです。
これに対し、多価不飽和脂肪酸は化学的に不安定で、過酸化物質をつくりやすいことから、貯蔵には向いていません。

 

リノール酸やα-リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸は、細胞膜を構成するリン脂質の一部であり、細胞から出るシグナル物質、プロスタグランジンなどの生理活性物質の材料として使われます。

 

「飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸はコレステロールを減らす」は、誤り

 

脂肪酸の研究が進むにつれ、飽和脂肪酸にも牛肉に含まれるステアリン酸のようにHDLの働きを促し、LDLを減らすものが見つかっています。また牛肉や豚肉、オリーブ油などに多い一価不飽和脂肪酸のオレイン酸には、多価不飽和脂肪酸であるリノール酸と同様にコレステロール降下作用があることが判っています。

 

オレイン酸は飽和脂肪酸のステアリン酸からも体内合成できます。
一方、不飽和脂肪酸のリノール酸やα-リノレン酸は体内合成できず、食事から摂取する必要があるため、必須脂肪酸と呼ばれます。ところで一時期、「リノール酸はLDLを減らし心臓病を予防する」として積極的な摂取が厚生省(現、厚生労働省)によって謳われていましたが、実はリノール酸は普通に食事を摂っていれば、必要量は簡単に摂取できています。

 

これに代わって近年注目されているのが、不飽和脂肪酸のEPA(イコサペンタエン酸)とDHA (ドコサヘキサエン酸)です。どちらも魚油の成分で、EPAは血栓を予防し、DHAは視力に関係するといわれています。

中性脂肪は、

  • 食事で摂取されたり
  • 肝臓で作られたり

して体内に貯蔵していきます。

 

中性脂肪も同様にエネルギーとして使う為、体内に貯蔵するのですが、中性脂肪の場合はすぐに使うのではなく万が一に備えて体内に貯蔵されています。

コレステロールの働き

人の体の細胞は、およそ60兆個にのぼるといわれています。

 

その細胞は、細胞膜という生体膜で被われていて、この膜を通じて物質の出し入れを行って生きています。細胞膜は、細胞内部を保護し独立を保ちながら、細胞外部と物質やエネルギーの出入りをさせる役割を担います。

 

コレステロールは、タンパク質やリン脂質と共に全ての細胞膜に含まれていて、膜の流動性を調節する働きをしています。

 

コレステロールは脳と神経系に多く存在し、成人の体内コレステロール量100〜150gのうち1/4が脳に集中しているといわれ、神経系全体では1/3強もあることになります。これは脳に500億〜1兆もの神経細胞があり、脳の情報を体の各部に伝達するためにはコレステロールが不可欠だからです。神経細胞の、いわば電線の役目を担っている神経繊維を、コレステロールは絶縁体のように被うことで、脳の情報を素早く正確に体の隅々へ伝達する役割をになっています。

 

また、コレステロールは、副腎皮質、性腺、胎盤が合成するステロイドホルモンの原料ともなっています。副腎が合成する副腎皮質ホルモンは50種類にも及び、いずれも大切な働きをしています。睾丸でつくられる男性ホルモンのアンドロゲン、卵巣でつくられる女性ホルモンのエストロゲン、胎盤でつくられる黄体ホルモンのプロゲステロンは、重要なステロイドホルモンです。

 

更にコレステロールは、脂肪の消化に不可欠な胆汁酸のもとでもあります。胆汁酸は肝臓でコレステロールからつくられます。脂肪を石鹸などのように水に溶けやすくし、同時に、膵臓からでる消化酵素リパーゼを活性化し、脂肪の消化吸収を助ける働きもしています。

 

コレステロールの場合、他にもホルモンや消化酵素を作るための原料としても使われています。

中性脂肪、コレステロールが体内に貯まり過ぎると

但し、中性脂肪、コレステロールが体内に貯まり過ぎてしまうと、体によくない影響が出てきてしまいます。
その為、貯めすぎないように適度に減らす必要があります。

 

中性脂肪、コレステロールの蓄積量が適度な量を超えてしまうと、エネルギーとして使いきれなくなって、過剰となった中性脂肪やコレステロールは血液中に流れだしてしまう為、血液成分に悪影響を及ぼすことになることから、事前に減らす必要があるわけです。

 

つまり、中性脂肪、コレステロールなどは貯めすぎても体によくないし、摂取が足りなくても体によくありません。私たちが生きていく上で、とても大切な働きをしているものなのです。


中性脂肪が高いと・・・

私もその一人ではありましたが、健康診断で、ある日突然「中性脂肪が高い」と診断されて、慌てて中性脂肪を意識しだす人がいます。

 

中性脂肪が高いと、様々な病気を引き起こす原因となるため減らす必要があるわけです。例えば、糖尿病になるとか、動脈硬化の原因となる場合が多く、こうなると心筋梗塞や脳卒中などの命の危険性がある病気につながりかねません。

 

もともと中性脂肪というのは、私たちのお腹周りについていて、大切な体の臓器を守ったり、空腹時にはエネルギー源になったりするものです。しかし、食事をしてから12時間以上経過しても、中性脂肪が血液中に150mg以上あると、医師から「高中性脂肪血症」などと告げられることになります。

 

中性脂肪の値が、150mgから300mgならばまだ軽症なので、栄養指導を専門医から受けて、減らすための食事を摂っていけば正常値に近づくことができると思います。しかし、私のように300mgから600mg近い数字が何年も続くようでは中等症だということになり、600mg以上になるとかなり重症です。ここまでくれば、本格的に治療を開始しなければならない驚くべき数字です。

中性脂肪の数値と状態

正常値 40〜130mg
軽症 150〜300mg
中等症 300〜600mg
重症 600mg以上

 

ところで、中性脂肪には、粒子が大きいタイプ、粒子が小さいタイプの2種類あり、大きいタイプを減らした方が、全体として中性脂肪をたくさん減らすことができます。

 

大きいタイプは、食事によってその量が変化するため、食事をバランスよく摂っていくことが大きなポイントとなります。一方の小さいタイプは、体が消費したエネルギーの残りを肝臓で中性脂肪に変えて蓄えられるものです。

 

重症に至るまでに、早い段階で中性脂肪を減らすために、食事を見直していくことが治療の近道です。